2008MHC登山講習 
日本第二の高峰、初秋の北岳(3193m)、間ノ岳(3189m)登山
9/13〜9/15 
実施報告
 9月13日AM6:00、県松本合同庁舎へ35名が集合し、2台の貸切バスに乗り松本を出発。AM7:45南アルプス林道バスに乗り換える時は40名、AM10:00山梨交通広河原バス乗り場では、東京方面から3組のご夫婦6名が加わり、総勢46名となってAM10:30広河原を出発する。
 上空は時折青空が覗く高曇。まず野呂川に架かる長い吊橋を渡り、いよいよ南アルプス最高峰北岳の奥深い山麓を進む。オオカメノキが赤い実をつけ、初秋を思わせるが、木々の葉は青く、夏のなごりの花々が道沿いに点在する。大樺沢への分岐からは、森林帯の急坂を1時間ほど喘ぎ登り、その後緩やかな登りの山道を小1時間進むと、PM2:30今日の宿、白根御池小屋に到着する。多くのテントが張られ、大勢の登山客で賑わっていた。
フジアザミ  野呂川に架かる長い吊橋を渡る 森林帯の急坂を1時間ほど喘ぎ登る
北岳を望む白根御池小屋テント場 シシウドが林立する草地の急坂を登る 鳳凰三山を背景に稜線を行く
14日霧雨模様の朝を迎える。AM6:00全員雨具を着用して出発する。シシウドが林立する草地の急坂を登る。徐々に雨も上がり、1時間半も登るとナナカマドが群生する低木帯に登り出る。急に展望が開け、後方に花崗岩砂礫を頂く鳳凰三山が連なり、西端の屹立する地蔵岳2750mの岩峰オベリスクが印象的だ。東方向に富士山の大きな姿が現れ皆歓声を上げる。森林が切れ稜線に出ると、北西に白砂を頂く白銀の甲斐駒ケ岳2965m、その西に大きな山容の仙丈ケ岳3033mが雄々しい。
   
白砂を頂く白銀の甲斐駒ケ岳2965m 霧が舞う岩稜線を登る  日本第二の高峰北岳山頂3193m
肩の小屋で一休みして、霧が舞う岩稜線を登り続け、AM9:45日本第二の高峰北岳山頂3193mに、全員が見事登頂する。「おめでとう!」。山頂に憩う、皆の笑顔がまぶしい。霧が漂う頂からは、南方に聳える間ノ岳3189mへ続く急峻な岩稜線がうねり、その右に塩見岳3047mが青く霞んで望まれる。
イワベンケイ
AM9:45北岳山頂3193mに全員が登頂 間ノ岳3189mへ続く急峻な岩稜線  トウヤクリンドウ
 山頂から岩尾根を降下し、AM11:00に北岳山荘に到着。昼食を摂り、宿泊手続きをして、軽荷で間ノ岳へ向かう。トウヤクリンドウが咲き残り、イワベンケイが赤く枯れ、秋色に色づく稜線から振り返る三角錐形状した北岳の姿が美しい。その姿は、南アルプスの王者の威厳と風格を備えている。
時折視界を閉ざす霧が舞い、冷たい西風に吹かれながら岩稜線を進み、PM2:00間ノ岳3189mに全員が登頂する。15分程で山頂を後にし、同じ稜線を引き返し、PM3:40北岳山荘に帰還する。荷物を整理して、一息つく皆の笑顔に、満足感があふれている。夕方、陽が落ちると霧が消え、東の空に満月が輝いた。
稜線から振り返る三角錐形状した北岳 中白峰山から望む間ノ岳3189m PM2:00間ノ岳3189mに全員が登頂
15日曙の空、眼下には雲海が広がる。AM5:30東の空一面を橙色に照らして太陽が昇る。大きな裾野が広がる富士山が薄紅色に輝いて、その姿に見惚れ、思わず合掌する。AM6:00北岳山荘から下山開始。北岳東斜面をトラバース気味に進み、八本歯コルに向かう。風雪にさらされた丸太のざん道が幾つも架けられていて、
踏み外さないように、慎重に渡る。小1時間でコルに到着。ここからも遥か眼下の大樺沢への急降下が続く。
薄紅色に輝く富士山 朝陽を浴びる稜線のテント場 北岳東斜面を八本歯コルに向かう
 振り仰ぐと、北岳東面のバットレス大岩壁が目の前にそそり立っている。痩せ尾根に架けられた高度差200m程のざん道が終わると、岩石のガラ場を降り続ける。御池小屋への分岐を過ぎた頃から、森林帯に入り、AM11:00、ようやく広河原小屋に到着する。小休止後、野呂川の吊橋を渡り、全員バス停脇の草地で昼食を摂る。「ごくろうさんでした。」やっと安堵感に浸っているようだった。
 PM12:00過ぎ、東京からの参加者とはここで別れ、40名は往路と同じバスに乗り、北沢峠を経由して、PM1:30戸台に待つ2台の貸し切りバスに乗り込み、PM3:20松本に無事帰還する。
 「南アルプス三千m峰の大きな山容を、心身とも味わいつくした登山だった。」