晩秋の燕岳(2763m)、紅葉と温泉 報告
10/11〜10/12
実施報告
 10月11日AM6:00、県松本合同庁舎へ11名が集合、2台の車に同乗して松本を出発。山麓線を走り、山道へ入ると渓谷の紅葉する蛇行道を中房温泉へ向かう。AM7:30登山口手前の駐車場に到着。見上げる上空は曇天模様、登山準備をしていると雨が降り出した。AM7:50全員雨具を着用して、登山口を出発する。
全員雨具を着用して、登山口出発を 紅葉の森林帯の急坂を喘ぎ登る 尾根道から燕j岳の白い岩峰を望む
 森林帯の中、熊笹が茂る急登路を30分程一汗かいて登ると第一ベンチに到着。第二、第三ベンチと登る頃には、雨も上がり、高度を稼いで、紅葉する木々の間からは、南に大天井岳の稜線が間近に望まれるようになる。急坂を喘ぎ登り、富士見平を過ぎて、一段と木々の色ずきが濃くなる頃、AM11:30合戦小屋に到着する。
主稜線に続く尾根路を登る 落葉した岳樺の低木帯が広がる 花崗岩が積み重なった道を行く
 合戦小屋から15分程で、主稜線に続く尾根道に登り出る。緑のハイマツ帯と落葉した岳樺の低木が広がり、登る前方に、目指す燕岳の白い岩峰が望まれる。PM1:00主稜線に建つ燕山荘に到着する。稜線では西からの冷たい風が吹き抜け、一気に体感温度が下がる。早速、宿泊手続きをして山荘内の食堂で昼食を摂る。
主稜線から望む、北アの女王燕岳2763m
 PM2:10身軽となって、防風の為、雨具を着用し、山頂を目指す。白雪のような砂礫を踏み、奇形の花崗岩石が林立する登山道を登る。振り返る南西方向に、天を突くように槍ヶ岳が颯爽と聳え、東には有明山、その後方遥か眼下に、安曇平を望む。積み重なった花崗岩石を登り詰めると、PM2:40燕岳山頂2763mに見事登頂する。「おめでとう!」握手を交わすと皆満面の笑顔を浮かべ、喜びに浸っている。20分程山頂に憩い、ゆっくり往路を引き返し、PM3:45山荘に帰還する。
積み重なった花崗岩石を登る PM2:40 燕岳山頂に見事登頂 夕焼け空に山々の輪郭が描き出される
 夕食後、西の空一面が橙色に染まり、裏銀座の峰々や槍ヶ岳の輪郭をシルエット状に描き出して、静かに夕陽が沈んでいく。PM8:00、東の夜空に丸い月が白く照り、W形状のカシオペア、天空に十字形の白鳥座が輝き、その傍に一等星の織姫、彦星も光っている。黒い山の稜線上に、北穂高、槍ヶ岳、大天井の各山小屋の鈍い明りがともし火のように瞬いている。明日の天気を期待して、就寝する。 
浅間山周辺の雲々が鮮やかに橙色に輝き、壮厳な日の出を迎える。  朝陽に輝く北アの盟主槍ヶ岳3180m
 10月12日、AM5:00起床。上空は快晴、東方向眼下に大雲海が広がっている。雲海上に遠く富士山、南アルプス、八ヶ岳連峰など中部山岳の山々が浮かんで見える。浅間山周辺の雲々が鮮やかに橙色に輝き、徐々にその範囲を拡げていく。AM5:45燃えるような太陽が昇り、荘厳な日の出の儀式を迎える。
 朝食後は、穏やかな日差しの中、食堂東一面に広がる真白な雲海を眺望しながらコーヒーを啜る。今年春から今までに登った峰々が、雲海上に浮かんで見える。風雨に打たれ、厳しかった登攀の数々、辛くもあったが、喜びもあった登山の思い出。穏やかなこの景色は『ご褒美のようだ』と深い感慨に浸る。
朝陽に輝く燕山荘 雲海上の山々に名残し惜しみながら下山する。
 AM8:00、往路と同じルートで下山を開始する。雲海上の山々に名残惜しむように、尾根道を下る。合戦小屋からは、森林帯の急坂を慎重に降り続け、AM11:30登山口に到着する。周辺は中房温泉の観光客で賑わっていた。PM12:00有明荘の温泉で汗を流し、昼食後PM1:30車に同乗し、往路と同じ道を走り、PM2:30県松本合同庁舎へ、全員無事帰還する。ご苦労様でした。
「白砂礫の燕岳、輝く大雲海と山々、そして紅葉と温泉、いつまでも思い出に残る登山だった。」